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2 マドリッドプロトコル、 海外直接出願との違いからみる 主なメリット

海外直接出願との違いからみる 主なメリット

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(1)          一般的には以下の6つが挙げられています。

メリット1    1の商願による複数の海外出願効果

 複数国で権利を取得したい場合、本国官庁(日本国特許庁)に1通の出願書類を提出することにより、複数国に同日に出願した場合と同等の権利を有することになります。また複数国分の出願手数料の支払も、国際事務局に一括して支払うことで完了します。

メリット2      翻訳不要の簡単な書類作成

言語が異なる国に対しても出願等の手続書類は所定の様式に基づき英語又は仏語・スペイン語日本国特許庁は英語のみ)で行うため、各国言語への翻訳は不要です。

また、言語が統一されているため国毎の指定商品(役務)の把握が容易になります。(例えば、中国語で漢字表記されてもそれが何を意味するかなんてわかんないですよね。ハングル等ならもう意味不です。)

メリット3      権利管理の簡便化

国際事務局における国際登録簿により権利関係は一元管理されています。よって、各国毎に存続期間の更新や所有権の移転、名称変更申請等の手続を行う必要はなく一括更新等が可能!

メリット4      経費の削減(現地代理人選任コスト・翻訳コスト等)

このメリットがマドリッドプロトコルの最大のメリットとして日本特許庁が押してくるところです(ただ、そのメリットは後で検証します)。

 

つまり、各国別に直接出願する場合は、各国が求める態様の出願書類の作成が必要なため、各国の代理人の報酬や翻訳等の費用が必要となる。

一方でマドリッドプロトコルは、拒絶理由が発見されずに登録になる場合は、各国の代理人の選任は不要なため代理人費用は発生しない、というのです・・・・・・。

 

メリット5      審査の迅速性・権利化の時期の予測可能性の担保

各国毎に直接出願をする場合には、このような審査(拒絶)期間の制限のない国もあります。一方で、マドリッドプロトコルでは、指定国官庁が拒絶理由を発見した場合の国際事務局への通報期間を領域指定の通報日から1年(又は18ヶ月)以内に制限しているため審査の迅速性や権利化の時期の予測可能性が一定担保される場合がある。

また、拒絶通報には根拠が明記されるので権利化の実現可能性についても検討しやすい。

(注1 国よれば直接出願の方において応答時期が早く設定されていることもあるためメリットとはいえない場合もあります。ex.中国では9ヵ月以内の制限)。

メリット6      事後指定制度による保護範囲の柔軟な拡張

1通のマドリッドプロトコルの出願書が国際登録された後に、指定国や指定商品(役務)を追加することができる事後指定の手続により、出願時に指定しなかった締約国はもとより、出願後に新たに加盟した締約国についても保護の拡張を求めることができます。

また、出願時に特定の国に対し商品(役務)を限定的に指定した場合でも、国際登録の範囲内であれば指定しなかった商品(役務)を追加することができる。

そのため、商標保護を事後指定国にそのまま又は拡張して「スライド」することができる(事後指定制度)

(注2 権利の有効期間の起算点はそのまま「スライド」する。起算日=国際登録日であるため、メリットを最大限享受するためには注意が必要。)

 

 

どうでしょうか?

上述のように、マドリッドプロトコルにはたくさんのメリットが挙げられ、それの制度説明を特許庁は頻繁に開催しています。

海外での国内ブランド商標の保護を促進したいがためだと思いますが、注記でも示したように、メリットを突き詰めていくと、それはメリットともいえないリスクも含んでいます。

次回は主にメリット4と6について、本当にそれが作業コストの低下に繋がるのか、実務の経験も踏まえて述べていきます。

 

 

おお疲れた・・・・んでは!また!